モーテフォン始動! ブログより

2017シーズンのトレーニング
2017.3.20

2017シーズンはしっかりと始まっています。1月に3週間ちょっと家で過ごし、体の準備と1年の体制を整えた後、スペインの南にあるタリフェに来ました。目的は良いコンディションとトレーニングチームに加わることでした。
ここで南フランスであっても厳しいヨーロッパでの寒さはすっかり解消され、調整は完璧にできました。ヨーロッパではセイリングすることができないほど寒いのです。タリフェについてから25日間、トリップの全日セイリングできました!本当に良かったです。今回は幸運なことにテネリフェに飛んでノースセイルのR&Dチームに6日間合流し、2018セイルのテストに携わりました。TWSクラブではいろいろなコンディションがあったので、さらに幸運なことに、サイズごとに最高のコンディションでテストができました。レーシングのコンディションでセイルをテストできたので興味深かったです。

家に戻り南フランスで2、3日を過ごした後、2016リオのオリンピックメダリストであるピエール・ルコックなどがいるフランスRSXオリンピックチームと一緒にトレーニングしたり情報交換のためブリタニーに行きました。RSXとレースの道具を交換して海に出るなどして、たっぷり1週間を過ごしました。このキャンプの目的は、互いの準備や感覚、あらゆる経験に対する情報をシェアすることです。僕らの取り組んでいる種目に似たところがなくても、プロの選手のフィードバックとトレーニングから学ぶことは多いのです。そのあと、他のフランスチームのキャンプに行きました。このチームはスラロームのチームです。コンディションに恵まれ、3週間ほぼ毎日、北フランスでセイリングすることができました。ゼウス・ストームの超強風と大波の中でセイリングすることもできました。
今の状態はかなり良いと感じています。準備は整いました!海で多くの時間を過ごし、道具の調子も良く、僕が求めていた状態になったのです。そして今からはゆっくりと更に特別なトレーニングへとスイッチして、シーズンの始めに備えます。

これが年始2ヶ月半の僕からのニュースです。次の冒険を楽しみに、そして僕のソーシャルメディアをチェックすることを忘れないでください。

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PWA、ウェイブチャンピオンになったビクターにインタビュー

ビクターのタイトル獲得への軌跡
今年のツアー初戦とテネリフェで勝利を重ねるも、その後2つの大会が風に恵まれずキャンセルに。さらにシルトの大会でアレックスが勝利し、年間タイトルの行方は最終戦のマウイに持ち越された。アレックスがビクター以上で良い成績を残した場合はタイトルを取れない可能性があるという状況で迎えた最終戦だった。

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インタビュー
PWA:正式にワールドチャンピオンになってから数日が経ち、今回は二度目のチャンピオンです。落ち着きましたか?またどう感じますか?
VF:素晴らしいです。ここにたどり着くまでは大変な道のりで、長い時間がかかりました。風がない大会が2つあったので待つ時間が長かったです。年の始めは僕にとって素晴らしいもので、ポッゾ、テネリフェでうまく運びました。ここマウイでの初日は、波がとても大きくとてもトリッキーで、僕のヒートはロックして終わるというひどいものでした。そしてそれは僕のヒートが終わり、シングルでのチャンスが消えたという意味でした。
ダブルでは少しマシにセイリングできたと感じましたが、僕の3つ目のヒートでは、コンディションと自分がシンクロしていない感じで、全てを発揮出来る波を見つけることができず、そのヒートでルーザースを終えることになってしまいました。でも助かったのはアレックスの結果がすぐに出たので、あまり待たずにタイトルを獲得できたのです。

PWA:二度目のワールドタイトルは最初の時と違いますか?
VF:どの年も簡単な年はないと思います。僕がトップに立ったのは6年前ですが、最初のものは常にいつも特別に感じると思います。タイトルを取る前は手に届くところに二度来ていたのに逃していたからです。
今回はマウイで表彰されるという点が独特です。マウイはウインドサーフィンのホームだからです。年の最後の大会で、現在最高のセイラーと若い才能、このスポーツのレジェンドといった48名が集う大会での表彰です。

PWA:2010年に最初のタイトルと取ってから、トップ10に入らなかったことはありませんが、もう一度タイトルを獲得するには及びませんでした。今年は何か違ったアプローチをしたのでしょうか?
VF:このシーズンは事前の準備ができていたと思います。ここ4年は冬の間、マウイで長い時間を過ごし、総合的なセイリングがとても向上しました。カイホフと一緒に過ごす時間が長く、彼は僕がセイルのチューニングをする時間を作ってくれたし、クラアスやファナティックチームのテストもありました。マウイで冬を過ごすということは、海に出る時間が長いということです。さらにジムが近くにあり、健康的なものを食べ、早く寝るという、普段のトレーニングプログラムもやりやすい環境になります。健康的なルーティーンをこなすことでメンタルが落ち着き、海上での自分のレベルを向上させることができたということが年の終わりまでには大きな違いとなって現れ、それが成功と失敗の差となったのだと思う。

PWA:今年のアロハクラシックのコンディションは波が巨大でかなりエクストリームでした。ホキパのコンディションがあのような時、セイリングするのはどんなでしたか?
VF:とても難しいです。正直言うと、あのサイズの波に乗る準備が100%できていなかったように感じます。世界最高の人と一緒に多くの時間セイリングしてきて、よく知るポイントと感じていました。でもあのコンディションはエクストリーム過ぎて多くの人が乗ったことがないコンディションだったので、気持ちが前向きになっていなければあそこでパフォーマンスすることは難しいものです。波は常に大きかったし、ほぼ100%チャンネルもクローズしていたので、アウトに出て行くことさえ難しかったのです。またトライしても常にどのくらいのリスクを負うのが計算していなければなりません。ロックしてしまえば、ヒートはほぼ終わりです。それがワールドツアーであり、そのために全てを準備し勝つために調子を整えなければならないのです。

PWA:戦っている時、常に冷静にいるように見えますが、ヒートで負けた時に起こったり苛立ったりすることはありますか?
VF:もちろん、負けたらハッピーなことはありませんが、僕が全てを出しきり他の選手が僕より上手くセイリングしたのであれば、僕は負けても大丈夫です。自分自身に負けたわけではないので。ご存知のように長い事大会に出ているので、幾つか痛みを伴うほどの敗戦と幾つもの嬉しい勝利を経験してきました。大会とはそんなものです。その日は誰かにとって特別な日になったり、0.01ポイント差で負けたり、でもそうやって大会は成り立っているのです。今週はウェイブライディングの2ピックアップなので、それぞれのヒートはとても接戦となり、これほどレベルの高い中では間違いが許されない状況なのです。

PWA:子供の頃、何になりたいと思っていましたか?
VF:僕は常にウインドサーフィンのプロになりたいと思っていました。だから今は夢の中で生きているのです。

原文http://www.pwaworldtour.com/より抜粋和訳

PWA、開発中のノースセイルについてインタビュー

PWAでノースのマネージャーであるラウルと長年開発に携わるクラアス・ボケットのインタビューをしています。
インタビューの内容は新たに開発しているモールド加工のセイルについてです。
ラウルは25年もの間ノースセイルで開発に携わり、ラインマネージャーとしてマーケティングも務めるノースセイルの要となる人物です。彼の豊富な経験はノースになくてはならないものとなっています。

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PWA:現在開発している新しいセイルについて少し教えてください。どんなテクノロジーを使っていますか?そしてそれは今の製品とどこが違うのでしょうか?

ラウル:コンセプトシリーズと呼んでいますが、数量限定の製品です。非常に高価な製品になり、マス対象ではないのです。でもまだ本来の開発という状態までいっていません。しかしアメリカズカップでノースセイルが使っているのと同じテクノロジーで、すでにその効果は実証されているという面で重要な開発であるということを知って欲しいのです。

このテクノロジーは3Diといい、開発にはとても時間と労力を使っています。10年以上前に開発された3DLテクノロジーが進化したものと言えます。今IQは3DL技術を使っています。またこの3DLを使ったものに見た目が似たセイルを作っているブランドも幾つかあります。3Dモールドではありませんが、フラットなセイルに従来の方法で(シームを用いて)シェイプをつけています。ハイテク技術ではありますが、ノースではこの技術に幾つかの欠点を発見したので、新しい技術に着手したのです。従来の技術では軽いセイルを作るためにフィルムの厚みを薄いものにしています。

これにはいくつかの問題があります。まずは厚みの違うフィルムに同レベルの抗UV効果を持たせるのが難しいことです。ポリエステルは抗UV素材ではありませんので、何度も太陽の下で使うと劣化します。そのためノースは現在のセイルでは最も薄いものでも4mmのものフィルムを使い、強度と軽さの両立を図っています。3DL技術ではラミネートしてフィルムとラミネートの厚みを2mmまたは1.5mmまで薄くすることができるようになっています。
そのラミネートされたフィルムを糸の両側に貼ります。この技術では糸をそれぞれの方向に、パターンを作らず、荷重方向を考えて張ります。多くの糸がセイルに張り巡らされ、厚みのないフィルムを使うことができるのです。これが他社も用いている3DLと開発中の新しい技術メンブレン(膜)の大まかな説明です。

ウインドサーフィンの最近のセイルは伸縮性の少ない素材を好んで使います。Xプライは糸を多く用いフィルムと合わせた素材ですが、その伸縮性は残念ながらフィルムの厚みに大きく影響されてしまいます。そのため単に糸を多くするだけではダメなのです。フィルムを薄くすれば伸縮性がアップしますが、ノースでは特にレースセイルなどには好ましくないと判断しています。
3Diテクノロジーを簡単に説明すると、セイルをラミネートするのに使いやすい技術ということになります。ざっくり言えば、ボードの外側、マストやブームに行っている加工と同じようなものです。

PWA:プレプラグとはなんですか?
ラウル:基本的にファイバーのコードの何本かを並べ、それにレジンを流します。どのくらいのレジンがファイバーにかけられるか、これをコンピューター制御で正確に行うことがポイントとなります。ここで問題になるのは、ファイバーコードにはある程度の厚みがあり、その厚みに若干の違いがあることです。

ノースセイルヨットではコード全ての厚みに正確に整える特別な工程を開発しました。そしてこの細いのコードを使い、通常のプレプラグに比べて50倍細い新しいプレプラグを作っています。あまりに薄いので伸縮性が高くなってしまうので、これもまた特別に開発したゴム性レジンを組み合わせてセイルを開発することができるようになったのです。この素材からテープを作ります。このテープを使い、巨大なテーブル(サッカー場くらいの大きさ、ヨットのための技術なので)でコンピューターによって作業します。このテーブルは真っ平らですが、下にチューブやワイヤーがあります。油圧式のボタンを押すとフラットなテーブルに凹凸が生まれます。カイ・ホフにとって、セイルをデザインするためにこのコンピュータープログラムを学ぶことは悪夢でした。

このシステムでセイルを作ることの利点は、例えばもっと強度をもたせたい部分があると考えた時、ファイバーの量を局所に増やすことができることです。そのためセイルの中心部は2、3層でできていても、フットは8層に増やすことができるのです。

クラアスは初期のプロトタイプについてこうコメントしています。”僕の5.0に関する印象は、とてもパワフルというものでした。そのパワーは素材によって生み出されていますが、一方で一度パワーアップしたらオーバーセイルに感じることがないことに驚いた。この素材は使用範囲が広いと思うけれど、今は開発の最初の段階なのでまだ多くテストしていく必要はあります。
マウイで僕とビクターは幾つかのプロトをテストし、カイと一緒に開発の仕事をしました。このシステムによるセイル作りの最初の段階について学ぶことができました。フィードバックすることでセイルのシェイプを正確に作り、セイルシェイプを保持するために、どの部分にどのくらいレイヤーを重ねれば良いかわかってきたのです。今までのセイルはミニバテンやケブラーテープを使って伸びを調整してきました。これからはテープ素材を足してレイヤーを増やすことによって調整するようになるでしょう。来年にも少しずつテストして高めていきたい”

PWA:重量に関して、すでにマーケットに出ているものと比較してどうでしょう?
ラウル:ノースではマーケットで最も軽い製品を出すことを大切に考え、すでに最軽量のマストやブーム、エクステンションを出しています。今の段階で、プロトタイプは乾いている時にセバーンと同じくらいの重量です。しかしバテンポケットや他のパッチ、補強はすでにボディーに組み込まれていて、マストスリーブだけが付いていない段階での重量です。でもこの部分は軽いので、濡れた時にはかなり軽くなると思います。
話したように最近のウインドサーフィンのセイルはソフトなパワーを供給するため伸縮性を調整しています。3DLテクノロジーではフィルムを薄くするとセイルが伸びやすくなってしまいます。しかしこの新しい3Diテクノロジーなら、必要な柔軟性をセイルに与えられるのです。これによって私たちは必要な箇所に柔軟性を備えながらも伸びないセイルを作ることができる上、従来のセイルによりかっちりとしたセイルを作れるのです。
抗UV効果については、ポリエステルを使わないので太陽の下に気にせず出せます。確信が持てていないのは、白い色を透明にできるのかどうかですが、今の時点ではわかっていません。

PWA:いつ最初のセイルが買えるのですか?
ラウル:今の時点では2018年2月ごろに最初の製品ができるよう考えています。

インタビュー原文 http://www.pwaworldtour.com/